21世紀の漆を考える

21世紀の漆を考える

天然素材うるし

コンセプト
天然うるしとは?
・うるしの木について
・生うるしについて
・うるし液の種類
本物とにせもの
うるし製品の価格
・生産のコスト
・流通のコスト
・社会的コスト
漆器のつくりかた
・漆液の生産と精製
・素地のつくりかた
・うるしの塗装方法
・加飾のうるし技法
・塗装工程の実際
・塗りに失敗すると
うるしは4K ?
うるしの科学
・科学(入門篇)
・少々専門的
漆は英語でjapan
漆器の主要な産地
うるしの雑学
根来椀の復元
・根来塗りとは
・実際の制作過程
・その他の試作品
イージーオーダー
・オーダー対象一覧
・パッケージについて
・対象製品 一覧
宝尽くしの加飾
家紋の加飾
扱う色について
特定商取引法に基く表示
漆製品のお手入れ方法
牛乳パックでつくる器
新 着 情 報
うるしの文献
リ ン ク


うるしで固める方法

素地が乾燥したら、漆液を含浸させて固めます
かなり沢山の漆液が素地に染み込んでいくので常温乾燥では時間を掛けなければなりません
短時間に乾燥させるには焼き付けが最適ですが、臭いと煙が大量に発生するので一般家庭では無理があります
温度設定が可能なオーブントースターで焼き付け出来ますが、煙と共に揮発した成分がトースター内部を真っ黒にして洗っても落ちなくなります
焼き付けのサービスも行う予定です


作業中に漆液が肌につくとうるしかぶれとなる恐れがあります
不安な方はビニール手袋をしてから作業しましょう
漆液が付いてしまったら

かぶれてしまったら



必要な材料と道具

生漆

テレピン油(灯油でも可)

筆(漆用でなくて良い)
水彩用絵筆の太めが良

皿又は浅い鉢
(生漆を溶くための容器)

片脳油(筆洗い用)

箆(へら)
作業の前に
乾燥させるためのムロとして、制作物が入る大きさのダンボール箱を用意し内部にゴミ用のビニール袋を敷いておく

濡れた雑巾または濡らした不要なタオルをビニールの上に置いておく(湿度を上げるため)

乾燥させる木地を支えるための空き瓶などをその上に置く

作業場所は汚れないように新聞紙などを敷いておく


漆液を薄める理由

生漆そのままでは粘度が高いため厚みの有る素地内部まで染み込んではいきません
そのため希釈して含浸させます



ダンボールにビニール


濡らしたタオル


支えの空き瓶


木地を乗せる



この工程ではを使用する

素地を漆で固める

最初は少な目の量で試してみる
少量の生漆(歯磨き1回分位)を皿(鉢)に出し、同量のテレピン油(灯油)を加え箆(へら)でよくかき混ぜる

出来あがった漆液を筆にたっぷりと含ませて、素地にゆっくりと塗っていく

乾燥した素地にどんどん吸い込まれていく
この時の塗る面は内側か外側のどちらか片面にする

反対面に漆がにじんでくるまで塗るのを続ける
漆液が足りなくなったら随時、つくり足していく

反対面全体ににじみ点々と見えてきたら塗るのは終了

用意しておいたダンボール箱の中に収納し、支えとして用意しておいたガラス瓶などの上に乗せ、蓋をする

2〜3日そのままにし、表面が乾いたのを確認し、同様に反対面を塗っていく
表面に触っても漆がつくことはありませんが、内部は乾燥していません

さらに4〜5日経ったら、2回目の塗りを行い数日後に反対面を塗る

2〜3週間、そのまま乾燥を継続し、蓋を明けた時に強い臭いが出なくなったら固めの工程は終了です(毎日、濡れタオルを交換するときに確認できます)

漆の乾燥に湿度は欠かせません
毎日2回程度、濡らした雑巾を交換してください

※乾燥に必要な期間は木地の厚さ、温度、湿度で変化します
表記日数は目安として下さい


塗りと仕上げ工程へ進みます


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