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津軽塗(つがるぬり) |
青森県津軽地方 林檎の産地でも有数な現在の弘前市周辺
別名「馬鹿塗」とも呼ばれるほど、大変に手間のかかる塗り方です 木地にはヒバが多く用いられ、中塗の段階で粘り気の強い「絞漆」(しぼうるし)を使って、斑点状に凹凸のある中塗を行い、その上に赤・黄色・緑などの彩漆(いろうるし)を塗り重ねます これを砥石で研ぎ出すと独特な模様が現れます。 更に上塗りをし、炭で研ぎ出し呂色仕上げを行います。これを唐塗(からぬり)と呼びます 七々子塗(ななこぬり) 着物の江戸小紋のような模様が特徴です。 漆が濡れている間に菜種を蒔き、乾燥する前に種を除き表面に小さな凹凸を作ります。 ここへ彩漆(いろうるし)を塗り込み、乾燥後に研ぎ出します。名前の由来は魚の卵である「魚々子(ななこ)」と云われます 一番馴染みのある斑点模様がある唐塗(からぬり)、錫粉を漆に混入した華やかさのある錦塗(にしきぬり)などがあります |
浄法寺塗(じょうぼうじぬり) |
岩手県二戸郡浄法寺町・安代町
瀬戸内 寂聴さんが住職としておつとめする天台寺のある場所と言った方が馴染みやすいかも知れません 昔は十軒に一軒が漆関係の仕事に関わっていたとも云われ、漆木の植栽や漆掻きも盛んな土地柄で、現在でも漆掻きの人々が多いことでも知られます 歴史も古く、8世紀に天台寺の寺僧が作り始めたといわれます 黒や朱の呂色漆を塗り立てした柔らかなツヤの肌が特徴です |
能代春慶(のしろしゅんけい) |
秋田県能代市
春慶塗は木の下地の木目が透けて見えるように透明度の高い漆を用います 佐竹氏が出羽の国(秋田)に国替えで移り住んだことに始まったといわれます 大館の「曲げわっぱ」は秋田の特産品ですが、能代春慶の素地はヒバが多く用いられます 江戸時代には「黄門さま」で知られる徳川光圀に気に入られ、水戸家塗物御用達となったと伝えられます 漆の透明度を上げるために、クエン酸などの酸を漆に混入することもあります |
秀衝塗(ひでひらぬり) |
岩手県盛岡市・水沢市・花巻市・胆沢町・西磐井郡平泉町など 奥州の豪族であった藤原秀衝の名前からつけられた名称です お椀である秀衝椀が代表的なもので、内側は朱、外側は全体に黒漆を塗り、朱で源氏雲を描いた上に菱形の金箔を置き、彩漆(いろうるし)で草花を散らしてあります 12世紀に始まったとされ、素朴な豪華さを特徴としています 菓子器、重箱、茶器、花器などがあります |
川連漆器(かわづら) |
秋田県雄勝郡稲川町
川連の椀や膳は、渋下地、蒔地下地が用いられ、大変に丈夫なことで知られます 沈金、蒔絵の加飾法は19世紀に輪島からの伝来と言われています 12世紀頃から始まったとされ、栗駒山麓で産出するブナ、朴(ほお)、栃(とち)、欅(けやき)など良質な原木が素地に使われます |
鳴子漆器(なるこ) |
宮城県玉造郡鳴子町
温泉で有名な鳴子の漆器で、温泉土産としても知られます 木地の木目を活かした木地呂塗り(きじろぬり)、ふき漆が多く見られます 「竜文塗り」(りゅうもんぬり) と呼ばれる変わり塗りは独特のものです 竜文塗り 彩漆(いろうるし)を水面に落とし、水面に広がりながら出来た模様を木地に掬い取りこの加飾を文様としたものです |
会津塗(あいづ) |
福島県会津若松市を中心に大きな産地を形成しています
花塗りと呼ばれる塗放し(ぬりっぱなし)が特徴です 大きな産地であるため分業が細分化しており、家紋つけ専門の人など、多くの専門家がいます 沈金 |
日光漆器 |
栃木県日光市 1999年にユネスコ世界遺産に認定されました
徳川家ゆかりの有数な観光地として知られます 特徴的なのは、彫り物がされている日光彫りと日光堆朱(ついしゅ)です 東照宮には、左 甚五郎作の彫刻がある土地柄からでしょうか 日光彫り 木彫りした表面に朱を塗り、更に透漆を塗ってから研ぎ出しを行ったものです 日光堆朱 堆朱とは、何度も何度も朱漆を厚く塗り重ね |
鎌倉彫 |
神奈川県鎌倉市
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高岡漆器 |
富山県高岡市
加賀藩二代目藩主前田利長公が高岡に城を築き、日常雑器を作りだしたことに始まりました |
輪島塗 |
石川県輪島市 大きな産地で知られます
輪島特産の地の粉は非常に優れたことで知られ、この地の粉を用いた下地が堅牢で美しい独特な質感を生んでいます 蒔絵・沈金の技術には定評があり、多くの産地にも影響を与え技術移転も行こなわれました。日本を代表する産地とも云えるでしょう 特に豪華な蒔絵の施されものは、高級漆器として珍重されています |
山中塗 |
石川県江沼郡山中町・加賀市を中心に大きな産地を形成しています
轆轤(ろくろ)挽きの技術が優れ、この轆轤技術を用いた生地を使用することで知られます。また、他の産地へも木地の供給をすることもあります 千筋、毛筋、稲穂筋をはじめ数十種の加飾挽きが行われています また、塗り方もこの木地や杢目(もくめ)の美しさを引き立たせる方法が採られています 拭き漆(ふきうるし、摺り漆とも云う)や木目溜塗が代表的な仕上げです |
静岡漆器 |
静岡県
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木曾漆器 |
長野県木曽郡楢川村・木曽福島町
木曾檜(ひのき)に代表される木曾の谷間に育った良質な材が用いられます 狭い谷間に日の差さない状態で生育するため、木目の詰まった正円で真直ぐな木になります そして、漆に向いた気象条件と良質な錆土も採れることから材料にも恵まれています 代表的な曲げ物は、この檜を薄い板にし湯に浸けて曲げ桜の皮で縫い合わせてあります メンパと呼ばれる弁当箱は、代表的な製品です 良質な木地が評価され、業務用として一流の蕎麦店や寿司店の什器に使われています 特に蕎麦店では、セイロや蕎麦湯を入れる湯桶(ゆとう)は欠かせませんから、現在も根強い支持がされています また、素地の良さを活かした木曾春慶や拭き漆があります 「木曾変り塗」や「塗分け呂色塗り」などの加飾もされています |
飛騨春慶 |
岐阜県高山市・吉城郡神岡町
檜(ひのき)、桜、さわら、栃の材が用いられ、その杢目(もくめ)の美しさを活かした透漆の技法が特徴となります 名称は飛春慶の茶壷に似ていることから名付けられたようです 素地を黄色又は赤に染め透漆を塗り、黄色を黄春慶・赤を紅春慶と呼びます |
越前漆器別名 河和田塗 |
福井県鯖江市・福井市
塗り立てである花塗が特徴です |
京漆器 |
京都
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紀州漆器海南漆器とも云われる |
和歌山県和歌山市・海南市
室町時代から続く「黒江塗」と、中世に根来寺の什器として使われていたことでその名がある「根来塗」があります 黒江塗は、秀吉の紀州攻めで根来寺が滅亡し根来寺にいた漆器工人達が黒江に移り住んで始められたとされます 戦国時代末期の渋地椀を起源とされ、江戸時代初期には黒江椀として全国に出荷されていたと言われます 一般的に根来塗とは、黒の中塗の上に朱の上塗を施し研ぎ出して中塗の黒を模様として見えるものを指しています。詳しくは根来塗のページをご覧ください 現在は根来の地での漆器生産は行われておりません |
香川漆器 |
四国
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八雲塗 |
八雲
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琉球漆器 |
沖縄県那覇市・浦添市・糸満市・沖縄市・中頭郡中城村・島尻郡豊見城村・南風原町
15世紀に始まったとされ、木地にはデイゴ、センダン、イヌマキ、ガジュマル等が用いられ本土とは異なります。中国やタイの影響を受けたと言われています 豚の血に粘土と油を使った豚血下地と呼ばれる独特な下地も用いられます 仕上げは、沖縄特有の堆錦(ついきん)をはじめ、鮮やかな朱色が多く螺鈿、沈金、箔絵等の加飾がされます 堆錦とは、漆に顔料を混ぜたものを餅つきのようにつき、平らに伸ばして板状になったものを切抜いて絵柄とするものです 鮮やかな朱が多いのは本土よりも紫外線が強いためと言われています |
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