21世紀の漆を考える

21世紀の漆を考える

天然素材うるし

コンセプト
天然うるしとは?
・うるしの木について
・生うるしについて
・うるし液の種類
本物とにせもの
うるし製品の価格
・生産のコスト
・流通のコスト
・社会的コスト
漆器のつくりかた
・漆液の生産と精製
・素地のつくりかた
・うるしの塗装方法
・加飾のうるし技法
・塗装工程の実際
・塗りに失敗すると
うるしは4K ?
うるしの科学
・科学(入門篇)
・少々専門的
漆は英語でjapan
漆器の主要な産地
うるしの雑学
根来椀の復元
・根来塗りとは
・実際の制作過程
・その他の試作品
イージーオーダー
・オーダー対象一覧
・パッケージについて
・対象製品 一覧
宝尽くしの加飾
家紋の加飾
扱う色について
特定商取引法に基く表示
漆製品のお手入れ方法
牛乳パックでつくる器
新 着 情 報
うるしの文献
リ ン ク

生漆について

生漆の三層 (外から見えるようにガラス瓶に密封したもの)

生漆(採取して保存してある樹液)
市販されている生漆ではありません


採取した漆の樹液を空気に触れないよう静かに置いておくと、画像のような三層に別れてきます
比重の異なる成分が分離していきます

下の層はイゾコと呼ばれ、水分・ゴム質・爽雑物(採取時に混入したゴミなど)が沈殿しています。

中間層はウルシオールや含窒素物等の主要な成分がまじりあっており、量的にも多く品質を左右する重要な層です

上の層は茶褐色をしており、中間層よりもウルシオールが多いとされます

生漆は名前の通り生きています
空気(酸素)に触れると、すぐに変化が始まります。温度・湿度の変化にも敏感に反応しますから、密封した状態で温度・湿度の安定した冷暗所で静かに保存する必要があります
古くから保管場所として床下などが利用されてきました
そして、樹液の匂いは採取した直後はほとんどありません
生きているので、冷暗所で保管しておくと発酵が進んでいきます
この発酵により、揮発成分や酢酸などが生成され漆の匂いとなります