焼き付け窯 準備中

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漆の焼き付け加工

出来上がった牛乳パックの素地をお預かりして、うるし加工を承ります

お預かりした素地は、薄めた漆を含浸させて焼付けを行います
漆を薄めるのは、そのままですと粘性(ねばり)が強いため、素地内部まで染み込まないためです
希釈液(薄め液)には、樟脳(しょうのう)油、テレピン油、ガソリン等を用います
焼付け温度、時間はノウハウがあるので簡単には申せませんが100℃よりも多少高く、数時間を要します(隠す訳ではありませんが、大きさや肉厚でのさじ加減は勘と経験によるところがあるからです)
この焼付けは、漆が空中に飛散するので焼成中の臭いが強烈に出て、窯内部も真っ黒になります
一般家庭ではトースターで代用することも出来ますが、お勧めは出来かねます(パンが焼けなくなりますが、それ以上に臭いが強烈で我慢がならないと思います)

焼付けノウハウとは、紙を素地にしているため、あまり高い温度にすると紙が炭化してしまいます。漆を焼き固める温度は200℃前後にすると短時間(数十分)で済むのですが紙の炭化と変形が懸念されるため、コントロールが必要なのです
漆液は固化(乾燥)すると高分子樹脂になりますから、内部まで漆液の染み込んだ牛乳パック素地は、全体が高分子樹脂の固まりとなっています
焼付けることで、下地までの工程が終了した状態になります
下塗り→中塗り→上塗りで仕上がりです
更に加飾を加えることも可能ですが、塗り立てで独特な表情が楽しめますから、特に必要ないと思います
とはいえ、人それぞれですからお好みで!

以上の仕上げは独特の質感になり、いわゆる一般的に考えられている漆器らしさ(凸凹がありますからしっとりとしたとは言えません)はあまりありません。肌触りは漆そのものです
とはいえ、うるし100%であるのは間違いありません(希釈液は蒸発します)


単に高分子樹脂の木地として捉える考え方も出来ます
従来の漆器らしさを出すためには、下地をつける工程から加工すれば良いことになります(凸凹が激しい場合は、刻苧(こくそ)からの工程となります。要するに表面が荒れていると大変に手間がかかり時間もお金も必要となります)
ご自由にオーダーいただけます。通常の漆加工ですから納期に3ヶ月は必要です
具体的な作業工程はうるしの工程を参照してください
価格と納期
素地の大きさと肉厚によって含浸させる漆の使用量はかなりの巾があります。(現物での確認作業が欠かせません)
一番シンプルな工程を基準に、ご送付いただいた素地を拝見した上でご相談に応じ、加工工程と仕上げの確認をした上で納期を含めてお見積りをMailにて差上げます
参考価格
小さな寸法のぐい呑み焼付け→下塗り→中塗り→上塗りの工程で行った場合の加工料の単価:1,500より 送料は別(往復分が必要です)
往復の送料をご負担いただきますので数をまとめてから(数人で分担等)がよいでしょう


参考納期
約1ヶ月
見た目は乾燥していますがカブレる可能性があります(納入後3ヶ月程度乾燥させるのが良いでしょう)
ご注意事項
表面が凹凸になっているために、均一な塗膜の厚みで漆を塗ることが出来ません
塗り終わった時に、凹の部分は塗膜が厚く凸の部分は相対的に薄くなっています
塗膜の厚い部分が乾燥する段階で(ちぢみ)が発生します
この縮は失敗ではありません。(小さな皺が点在している)
独特な表情を創り出す景色と考えてください

この縮を消したい場合は、素地を作る段階で表面をツルツルになるまで空研ぎで砥ぎ上げてください(見た目の仕上がりは普通の漆器と同じになりますので、手捻り的な手作り感は少なくなります
この研ぎ上げには、凹凸をとるのは粗目(150番)でかまいませんが、最終的な仕上げには600〜1000番位のサンドペーパーを使用してください。表面が荒れていると焼付けでザラザラになります


肉厚が薄く厚みが不均一な状態ですと漆液を染み込ませ焼付けをする際にたわみゆがみ等の変形が発生します
いびつな形も手作りの味わいではありますが、あらかじめご了承ください
型と同じ形状で仕上げたい場合は、漆液を含浸させ型に被せた状態で常温乾燥を一度行い、変形しない程度に乾燥させてから焼付けを行います

常温乾燥の期間は大きさ形状にもよりますが2〜3日必要です。内部は乾燥していません


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