21世紀の漆を考える

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天然素材うるし

コンセプト
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本物とにせもの
うるし製品の価格
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漆器のつくりかた
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・うるしの塗装方法
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・塗装工程の実際
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漆製品のお手入れ方法
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リ ン ク

塗りに失敗するとどうなる?


どうして漆加工は時間がかかるの?

漆加工は「塗って」「研いで」を幾度も繰り返して行われます
もっと簡単な、手間ひまをかけない方法は無いものでしょうか?



●一度に厚く塗れば、塗る回数を減らせるのでは?

⇒ 一度に厚く塗るとその表面が平らとは限りません(椀などのかたち)から、漆液が流れることで塗膜が垂れてきます。そして必要以上に厚くなった塗膜は乾燥する時に縮みが生じてしまいます

ちぢみの出来た表面

縮み(ちぢみ)黒漆の縮み (拡大してあります)


厚く塗りすぎると、厚くなった部分だけ細かい凸凹ができてしまいます
シワが出来て、表面が縮んだ様に見えるのでこう呼ばれるのでしょう
指で触らなくとも凸凹がハッキリと判るほどに荒れています

画像について
極端に厚く塗って、縮みを再現しています
失敗したとしても、ここまでひどい縮みは見かけることはありません
思った様に縮みを出すのは、中々大変です。厚みだけではなく温度や湿度によっても縮みの出方は変化します

●湿度と温度を上げれば、乾燥時間が短くなるのでは?

⇒ 湿度と温度が上がれば酵素の活性が上がり急速に乾燥はするのですがやけと呼ばれる現象が現れます
温度を上げるとは言え40℃位までが限界で漆が活性を失い乾燥しなくなります
湿度は100%以上(空気と塗膜に温度差があると水滴が出来る)となります
黒漆を塗っても茶色の粉をふいたような荒れた表面になってしまいます
また、乾燥時間を早めるために温度・湿度を上げると、縮みも起こり易くなります
同じような作業をしても、梅雨の時期(暑くてジメジメしている)は縮みが出易くなります
ヤケの見本

やけの出来た表面 (拡大してあります)
黒漆を塗ったもの(粉をふいたように茶色になっています)




このような縮みやけを目にする機会はほとんどありません
明らかに、乾燥に失敗したと言えるからです
プロである職人さんであれば、技術が未熟であることになります

今回のサンプルは、あえて非常識な環境を再現して作成したものです(初めての試みのため、数回チャレンジしました)
かなり極端な例です。サンプルとして最適かどうかはです
画面上では判りづらいかもしれません
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