21世紀の漆を考える

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牛乳パックの加工


画像では紙の違いが識別できないと思います
コーティングされた紙


切れ目を入れた紙


コーティングをはがした紙

下準備

牛乳パックはあらかじめ中をきれいに洗って乾燥させ、接着面をはがして平にしておきます

内側になっていた白い面は水漏れしないようにコーティングがしてあります。
印刷がされている外面もコーティングがしてあります。

この両面のビニールコーティングをきれいにはがさなければいけませんが、このままでははがれにくいので加工をします。

両面ともカッターで浅く切れ目を入れていきます
切れ目の間隔は1p程度です。
切れ目は浅くコーティングの表面だけ切ってください

これをバケツなどに入れ、水に漬けてコーティングを浮かせますが1週間ほどかかります
夏場などは水が腐ってきますので毎日、水を入れ替える必要があります
貼り合わせに使われる糊もとけてきますので多少べたつきます

1週間程で剥がれ易くなるので水から引き上げコーティングを剥がします
はがす途中で紙が破れたりしても問題ありません。きれいに剥ぎ取れない場合は、その部分を使わないで下さい










素地の制作

下処理の終わった紙を3〜4p角程度に手で千切ります。
ハサミやカッターを使用すると繊維が切断されるので必ず手で行ってください

この千切った紙を用意しておいたバケツ又はボール(容器)に入れ水を紙全体がかぶる程度まで入れます

この状態でしばらく放置(30分程度)しふやかします

ミキサーを使う場合
ふやけたものをミキサーに入れかき混ぜると、ドロドロの状態になります(あまり長時間ミキサーにかけすぎると繊維が切断されて使いにくくなってしまいます。強度も落ちてしまいます)

ミキサーを使わない
ふやけた状態になってきたら、割り箸や手でかき混ぜてドロドロの状態になるまで続けます(水は多い方がやり易い・水の分量は適当でかまわない)
これで材料は揃いました

牛乳パックは加工し易いものとしにくいものが有るようです
印刷面が剥がしにくかったり、ふやけるまでの時間がかかるものも有ります

他の素材は使えますか?
牛乳パックを素材にしたトイレットペーパーが市販されております。水に溶け易いことはもちろん手間を省くことも出来ます。
とわいえ、食器を作った場合。
食事中に器の素材について質問されなければ良いのですが。


うつわの成型

ドロドロになった材料を少しづつあく取りで掬い、この丸い紙を型の上に貼り付けていきます

この時、型からはみ出していてもかまいません

一度に厚く貼るよりも薄く何回にも分けて貼っていきます
広い面積をやる場合でも何度も繰り返しながら厚みを持たせていきます
この時、重なるように置いていきます
ある程度均一に貼っていかないと歪んだりする原因となります

貼る時に出来る凹凸は気にする必要はありません。むしろ面白い表情の景色になります
同一の型から作っても、一個ごとに違った表情が楽しめます

陶器の手びねりの感覚ですから、かなりの厚みを持たせることが可能です。あまり薄いと強度が無くなります
時々、定規を当てながら作業すると極端な厚みの不均一がさけられます
大きな器ほど強度が必要になるので、椀程度の大きさを超える寸法の場合は肉厚(数o以上)を確保してください。
厚すぎても問題ありませんし、紙ですから重くなりすぎることもありません(厚いほど乾燥に時間が必要になりますが)

気に入った形になったら、型からはみ出している部分をそのままにして成型の終了です

型を付けたまま、風通しの良いところに置いて乾燥させます
乾燥時間は紙の厚さによって変わります
最低でも数日は放置してください(5o程度の厚みがあると2週間前後)

カサカサな状態になっていれば乾燥は終了しています
乾燥が確認できたら、型からはみ出した部分をカッターで切り取り、型を外します
型が発泡スチロールですから、強めに握ると型と紙の間に空気が入り簡単に外すことができます

型がどうしても外れない時は
指で簡単にほじることが出来るので、型を崩しながらはずしてください


凹凸が気になるようでしたらサンドペーパーをかけて仕上げてください

素地の完成です

うるしで固める工程へ進みます


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