21世紀の漆を考える

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天然素材うるし

コンセプト
天然うるしとは?
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・生うるしについて
・うるし液の種類
本物とにせもの
うるし製品の価格
・生産のコスト
・流通のコスト
・社会的コスト
漆器のつくりかた
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・素地のつくりかた
・うるしの塗装方法
・加飾のうるし技法
・塗装工程の実際
・塗りに失敗すると
うるしは4K ?
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・科学(入門篇)
・少々専門的
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・根来塗りとは
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・その他の試作品
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特定商取引法に基く表示
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牛乳パックでつくる器
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リ ン ク


印籠型キーホルダーの制作工程

この制作工程は本来の印籠の
制作方法ではありません

印籠パーツの名称について
このキーホルダーは内寸が10oとなっています
そのため組み立て終わった木地の内側を塗ることが出来ないため、事前に拭きうるしで仕上たパーツを組み上げています

内側を拭きうるしとした理由は、金属製のカギが常にぶつかるので下地を付けると塗膜のひび割れや破損が起こり易くなることと、塗装工程が増えるに従い価格が高くなるためです
使用した素材について




部材の拡大画面
切り出した部材

部材の位置関係
拡大画面
生漆で拭き漆

黒で拭き漆
ハタガネで締め上げる
糊漆で接着

底蓋と本体
材料の加工

朴(ほお)の木を必要な寸法に切り出します

ここでは内側となる面の漆加工を行います

サンドペーパーで表面の毛羽立ちを取り生漆による拭き漆を施します

乾燥すると、拭き漆の表面がまた毛羽立っているため、更にサンドペーパーで空砥ぎし砥ぎで出た粉の汚れをきれいに拭き取ります

黒中塗り漆で拭き漆を施します

乾燥させて、内側の漆加工は終了です

組み付け
ここで各部材を組み付けるのですが、木地とするために鉋(カンナ)をかけるので釘やネジなどは使用できません
そして、漆加工された表面同士を接着させなければならないので糊漆を用いてベタ付けします

ここまでの工程で高級品の場合は
生漆の拭き漆で木地固めが終わった後に布着せを行い更に表面の強度を確保することになります
組み付けも単なるベタ付けはしないで、サネを用いる指物の組継ぎ技法でしっかりと組み付けることになります

更にコラム


接着面の双方に糊漆を箆(へら)を使って塗りつけ、接合面を合わせていきます
適当な数量がまとまったところで、ハタガネで締め上げ接合面の隙間を無くし乾燥させます

底板の接着を行い材料の加工は終了です

削り出した木地
底蓋と本体
木地の制作

紐を通すための穴を明けます

接着が終了した木地をカンナで削りだして印籠の形に整えていきます
電動サンダーで角の丸みなどを出し成型し木地が完成します

ここまでが木地やさんの仕事で
塗師に渡ります



漆の塗装

木地固め
木地に生漆を含浸させ強度を上げ漆液の食いつきを良くします


砥ぎ
表面が毛羽立ってザラついているのを砥ぎ出します

部分的な拡大画像
下塗り
刷毛で黒中漆を平均的に塗っていきます

部分的な拡大画像
下塗り砥ぎ
乾燥した漆面を600番程度の砥石で研ぎ出します

部分的な拡大画像
中塗り
刷毛を用いて、黒中漆を塗り付けていきます

部分的な拡大画像
中塗り砥ぎ
砥石を800番程度に上げ、塗面を研ぎ出します

部分的な拡大画像
上塗り
黒中漆から黒呂色漆(くろろいろうるし)に替え、刷毛で塗り付けていきます




それぞれに塗って仕上たパーツと紐や金具を用意し組立てます

組み立て工程はこちらから

以上で完成です


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