自由な形で成型するには、専用の型が必要です 型は必要な数だけ用意すると一度に作業できます 初めて作る時は、失敗してもいい様に余分に型を作ることをお勧めします |
加工のし易い発泡スチロールを型として使用します あらかじめ作りたい寸法の器があれば、そのまま型として利用することができます その場合、寸法は肉厚の分だけ小さく、または大きくなります(型をオスにするかメスにするかによります) |
牛乳紙パック ジュースの紙パックなどでも可。量は大きさと肉厚で変わるので少し多めに用意する 容器 水につけて紙を繊維にするため、適当な大きさの浅めの容器(ボールやバケツなど) ジュースミキサー 繊維にほどく作業を簡単にするため(無くてもOK) 発泡スチロール 乾漆の型の材料となります。大きめの寸法が必要です オス型・メス型どちらでも可 カッター 発泡スチロールを削るためのナイフ 紙やすり 150番、600番のサンドペーパー その他 器のデザインの寸法図面、定規、サインペンなど |
注意点 デザインする際に、型から外し易くするために直角や逆傾斜が出来ない様にしましょう |
図面つくり
すべて原寸大で図面を作成してください。 既存の器を型として利用する場合は図面は必要ありません 今回はぐい呑みなので三種類の図面が必要です 使用する紙はなるべく厚いものにした方が作業がやり易くなります 型を作るための平面図と立面図、制作課程で使用する定規を描きます。形はお好みでかまいませんが参考まで、直径は5〜6p位、高さは2〜3pで行いました |
高台は無くてもかまいません。(初めての方は作り易くなります)
型の制作 平面図を発泡スチロールに写し取ります 写し取る際は、輪郭がはっきりとするようにサインペン等を使用してください 同じ物をいくつも作る場合は、必要な数だけ間隔を充分に空けながら写し取ってください 写し取ったそれぞれの型をカッターで切り取りますが、輪郭よりも大き目に切り分けてください |
輪郭よりも一回り大きくカッターで不要な部分を切り取っていきます |
多少の凹凸は気にする必要はありません
150番のサンドペーパーで輪郭に沿って丸くしていきます この時点では平面図の円筒形に仕上げていきます 上から見て輪郭通り円形になれば次へ進みます |
円筒形にしていきます
カッターで立面図の形状に角を落としていきます この時点で用意しておいた定規を当てて削りすぎない様に注意します おおよその形になれば次へ進みます |
最終的な形にしていきます
150番のサンドペーパーで立面図の形状に角を落としていきます この時点で用意しておいた定規を当てて削りすぎない様に注意します おおよその形になれば次へ進みます |
定規の形に合わせて削ります
定規の形状に角を落としていきます 形が整ってきたらサンドペーパーを600番に変更し、表面を滑らかになるまで削ります これで型の制作は終了です |
牛乳パックはあらかじめ中をきれいに洗って乾燥させ、接着面をはがして平にしておきます 内側になっていた白い面は水漏れしないようにコーティングがしてあります。外面は印刷がされていると思いますが、この両面を必ずはがしてください まず、このビニールコーティングをきれいにはがします。はがす途中で破れたりしても問題ありません。きれいに剥ぎ取れない場合は、その部分を使わないで下さい 3〜4p角程度に手で千切ります。ハサミやカッターを使用すると繊維が切断されるので必ず手で行ってください この千切った紙を用意しておいたボール(容器)に入れ水を紙全体がかぶる程度まで入れてください しばらく放置して印刷面をはがします(紙に水が含まれると印刷面がはがし易くなります) さらに小さく(5〜10o幅位)千切って水に浸けてください ミキサーを使用しない場合は、前の晩にここまで準備しておくとふやけた状態になっています ミキサーを使う場合 ふやけたものをミキサーに入れかき混ぜると、ドロドロの状態になります(あまり長時間ミキサーにかけすぎると繊維が切断されて使いにくくなってしまいます。強度も落ちてしまいます) ミキサーを使わない ふやけた状態になってきたら、割り箸や手でかき混ぜてドロドロの状態になるまで続けます(水は多い方がやり易い・水の分量は適当でかまわない) これで材料は揃いました 牛乳パックは加工し易いものとしにくいものが有るようです 印刷面が剥がしにくかったり、ふやけるまでの時間がかかるものも有ります 他の素材は使えますか? 牛乳パックを素材にしたトイレットペーパーが市販されております。水に溶け易いことはもちろん手間を省くことも出来ます。 食事中に器の素材について質問されなければ良いのですが。 |
ドロドロになった材料を少しづつ手で掬い、型の上に貼り付けていきます
貼り付ける時に強く押しつけると水分が流れ出て成型されます 一度に厚く貼るよりも薄く何回にも分けて貼っていきます 広い面積をやる場合でも小さく・薄くをを繰り返しながら厚みを持たせていきます ある程度均一に貼っていかないと歪んだりする原因となります 貼る時に出来る凹凸は気にする必要はありません。むしろ面白い表情の景色になります 同一の型から作っても、一個ごとに違った表情が楽しめます 陶器の手びねりの感覚ですから、かなりの厚みを持たせることが可能です。あまり薄いと強度が無くなります 時々、定規を当てながら作業すると極端な厚みの不均一がさけられます 大きな器ほど強度が必要になるので、椀程度の大きさを超える寸法の場合は肉厚(5o以上)を確保してください。厚すぎても問題ありませんし、紙ですから重くなりすぎることもありません(厚いほど乾燥に時間が必要になりますが) 気に入った形になったら成型の終了です 型を付けたまま、風通しの良いところに置いて乾燥させます 乾燥時間は紙の厚さによって変わります 最低でも数日は放置してください カサカサな状態になっていれば乾燥は終了しています 乾燥が確認できたら、型を外します 型が発泡スチロールですと、強めに握ると型との間に空気が入り簡単に外すことができます 型がどうしても外れない時は 指で簡単にほじることが出来るので、型を崩しながらはずしてください 凹凸が気になるようでしたらサンドペーパーをかけて仕上げてください 素地の完成です |
型を作らずに、手近なうつわを使用します 注意事項 ・型が外し易い形状を選ぶこと ・型として、内側(中に作る)か外側(外に貼り付ける)を決める |
型を作らずに、簡単につくれます。しかし、既存のうつわを使用するため形状が限定されてしまいます 発泡スチロールのように柔らかい素材ではないため、乾燥後に取り外しのし易いお椀やボールの様なカーブを持ったものか、皿のような深さが無いものが良いでしょう 器の内側を型として使用する場合、水分の蒸発がしにくくなるので乾燥時間が長くなります 器の外側を型として使用する場合、高台や脚の付いたものは利用できません 形をコピーするので、表面に凹凸があるものは避けた方が良いでしょう 型の素材は特に限定されませんが、長時間にわたって水分が付くので水に弱い素材は使えません 陶磁器・ガラス・ステンレス・プラスチックなどが良いでしょう 笊(ざる)やネットを型に利用すると面白い表面になると共に乾燥が速まります 色々な素材の型の試作品がご覧いただけます 型を用意すれば、作り方は変更ありません 乾燥させる時の注意点は、内側に貼り付けて成型した時は水分が蒸発しにくくなるので、厚みがあると一週間以上かかることもあります(10o程度以上の厚みになると数週間かかる場合もあります) 環境によっては黴(カビ)が生えてきますが問題ありません。(風通しの良いところに置きましょう) カサカサな状態になっていれば乾燥は終了しています 乾燥が確認できたら、型を外します 型から外して湿り気が残っているようでしたらそのまま放置して乾燥させてください バリなどはみ出した部分はハサミやカッターで切り落とし、サンドペーパーで角を取り丸めてください 表面の凹凸が気になるようでしたらサンドペーパーでならして仕上げてください 肉厚が薄く厚みが不均一な状態ですと漆液を染み込ませ焼付けをする際にたわみ等の変形が発生します いびつな形も手作りの味わいではありますが、あらかじめご了承ください |